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北緯32度線をめざして、きわめて順調な航海が進みます。一日に進める距離は140マイル(260Km)程度。緯度にして2度を北に上っていく感じです。日中気温は30度前後。Tシャツと短パンで風を受けているのがちょうど良いから、まだまだカリブ海の延長にいる気がします。冷たいもの飲んで読書が最高。ちなみに僕はマゼランの航海記に一気にはまりました。(脚本化したい!) 北緯24度を越えると風はゆるゆると落ちてきました。 波も無くなり、まるで天気の良い大きな湖を走っているようです。が、大きく違うのは超巨大なうねり。半径1キロがゆっくーり盛り上がって、また沈む。気がつかなければなんてこと無い動きですが、見方を変えると生きている地球の表面そのものです。僕はトトロのおなかで昼寝するメイちゃんを思い出しました。セイルは大した役には立たず、エンジンでなんとか6ノットを保ち進みます。こうなるとデッキ上は高級リゾートで昼寝してるのとなんら変わりはありません。 おまけにビクトールがピッツア職人に変身するという、すごいサービス精神を発揮。カリブでも食べられなかった本格ピッツアがオーブンから出てきた時は感激でした。 パン造りは船乗りの基礎かもな~ なんて思いましたよ。 4日目、快調だったエンジンから突然ものすごい悲鳴。 あわてて停止レバーに飛びつきエンジンルームのハッチを開けると、中は白い煙充満。ゴムのこげた匂い・・・ 原因は冷蔵庫用のコンプレッサー焼付きでした。(それくらいで済んでよかった) しかしスペアは用意してないので、冷蔵庫とは今日でおさらばです。 ドキドキがおさまる中で、「今夜は焼肉大会かな」と話し合いました。 すかさずビクトールが用意を始めたのがコレです。なんでも前回の大西洋航海では8キロのマグロを釣り上げたそうで、「冷蔵庫、無くたって関係ないさ!」 「お、おう。 寿司作るからさ!」 ・・・(し、しかしビールはどうなる?コーラはっ?) 先行きにちょびっとだけ不安を感じる事件だったけど、船はどうやら無風帯を抜けたみたい。 しかも西からの風。 北緯27度。予定よりずいぶん早い追い風の到来で、船はいきなりアゾーレス諸島を向いて直進し始めた。これでいくと2日間のショートカットで到着かも。 (下の写真、早朝、船首で跳ねるイルカ)
by andamar
| 2005-01-24 09:31
| Sailing
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