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パリを飛び立ったボーイングは、僕達の予定航路を何百倍のスピードで逆行すると、オランダ領サン・マルティン島のビーチ脇にパラソルをかすめて着陸した。 飛行機の旅ってなんてあっけないんだろう。と生まれて初めてしみじみ思う。 いつものことだけど、このフライト中も窓に張り付いて、下方に広がる青い海原を首が痛くなるほど見続けていた。ぜんぜん飽きることがなかったから。 天気はきわめて良く、アゾーレス諸島付近にあった小型の低気圧帯以外は遮るものがまったくないクリアな視界。どこまでも続く大西洋を見渡せる。9千メートル下の海面はとても穏やかに見えた。 こんな日の航海はめちゃ気楽そうだ。 「ビクトール、すごいぜ。ほとんど波ないよ、全域微風だよ。」 「ん? あ、 そう? ・・・ ZZZZZ 」 全然興味無いワケ?・・・まあ一ヶ月の航海って、無風の日もあるし強風の日もあるから、今日がどうだって確かにどうでもいい訳なんだけど。とにかくランディングまで寝続ける相棒であった。 もああ~~! タラップを降りると、そこはカリブだった。 暑い。すごい湿度。タイには何度か旅してるので、この暑さにも白いビーチや椰子の木立にも免疫ってもんがある。悲しいかなそこんとこは同じだ。ただちょっと違うのは、その風だった。 小さな空港の管制塔の上にたなびく風見は、東の風10ノット。うわさに聞く貿易風だ。 沖を見やると、なんという数のクルージングヨット! その全てが元気よく風をはらんで、エメラルド色の海を行く。無数の島々を縫って。この光景は長旅の疲れもセコいオーバーチャージへの怒りも吹っ飛ばした。 「 Bien venidos a Caribe Amigo, Vamos a celebrar !」(カリブへようこそ、アミーゴ。お祝いしようぜ!) いきなり起きたと思ったらこれだよ。 さすがラテン系船長だ。アミーゴ。 重い機材やらなにやらを引きずって、僕達は空港横の汚い水上BARになだれ込んだ。 何時出発するのか全然わからないブリティッシュ・バージン・アイランドまでの乗り継ぎ便を待つ間、しこたま飲んだビール「Carib」が人生初めてのカリブの味だった。
by andamar
| 2004-12-02 17:03
| Sailing
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